TORITENトリテン

闘う言葉

MF 17 高畑奎汰「こういう試合は途中出場の選手が流れを変えて決めると思っていた」

 

——ゴールシーンを振り返って。

一応、狙ってはいた。もっと速いボールをゴール前に送り、誰かが触るか触らないかくらいを狙ったら、思ったよりも浮いたのだが、それがいいところに行ってくれてよかった。あの位置については、練習でもあんな角度でやったことはなかった。でもあまり意識せず、何も考えずに蹴った(笑)。

——FKを獲得した時点で、高畑選手が蹴ることは決まっていたのか。

いや、オカさん(岡山一成コーチ)には全部蹴ってくれと言われて試合に入ったのだが、ノムくん(野村直輝)とどっちが蹴るかと話をしたときに、ノムくんが「奎汰、蹴っていいよ」と言ってくれたので蹴った。試合後に「入るとは思わなかった」と冗談で笑われた。

——キックについて、昨季との違いは。

昨季は直接狙うことはなく、合わせるようなキックばかりだったのだが、今季は直接も結構練習している。種類はいくつか蹴り分けている。

——これまでセットプレーのキッカーを務めた経験は。

中学、高校を通じてアカデミー時代にはずっと蹴っていた。でも、直接というのはあまり得意ではなかった。今季からは全体練習後にオカさんと練習している。

——岡山コーチからのアドバイスは。

どこを狙ったらいいとかは結構教えてくれる。今日は練習どおりに行った。1本目だったが、とりあえず思い切り蹴ろうと思って、迷いなく蹴った。練習でも感覚がいいので、今後も蹴りたい。

——高畑選手は昨季も中に走っているところにボールがこぼれてきてダイレクトにシュートしたりという場面が何度かあった。考えがあって走っているのか、感覚的なものなのか。

感覚かはわからないが、「こぼれてきてくれ」と思いながら走っている。たまたまこぼれてくればいいなと。

——そういうときのシュートもあまりふかさない。蹴る技術はどう体得してきたのか。

小さい頃からボレーシュートやダイレクトシュートはよくやっていた。わからないが、それが生きているのかもしれない。あまり意識したことはない。

——優位に試合を進めながらなかなか得点できていなかった。どういう思いでピッチに入ったか。

こういう試合は途中出場の選手が流れを変えて試合を決めると思っていた。そういう意味で、いい方向に流れを変えることが出来たと思う。

——黒﨑選手とのマッチアップについて。

シモさん(下平隆宏監督)からも、クロくんが上下に走れるのでそこで負けないようにということと、先手を取って自分が前に行ってくれということを言われていた。結果的に裏に抜ける場面はあまりなかったが、クロくんの走りについてはかなり警戒しながら試合に入った。

——藤本選手と交代で入り、違うタイプの攻略を見せた。今後のポジション争いについては。

もちろん負けたくないというのはあるが、自分はドリブル突破はあまり得意ではなくプレースタイルが全然違うので、同じことをしようとは思っていなくて、自分のよさが出せればスタメン争いも出来ると思う。練習からしっかりやっていきたい。

——苦しい展開の試合を自分の得点で勝ちきれた。その手応えは。

点につながったことで自信にはなった。みんなから「狙ったのか」と訊かれた。もちろん狙ってはいたので「狙いました」と答えた。みんな「ナイス!」「ありがとう!」と言ってくれた。

——その割にクールな表情のようだが…?

いや、でもうれしいッスよ(笑)。