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勝利へのカギ

【アカデミー通信】小野原復活弾を守りきり今季初勝利。主将も復帰して上向きで群馬へ!

 

7月16日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プレミアリーグWEST第9節。大分トリニータU-18はアウェイで神戸弘陵学園高と対戦し、1-0で今季プレミア初勝利を遂げた。開幕前から主力の怪我人続出に苦しみ、なかなか思うように結果を出せずにきたが、ようやくつかんだ勝利に選手たちは喜びを弾けさせた。

スカウティングどおり立ち上がりからブロックを作ってゴール前を固めてくる相手に対し、大分はテンポ良くボールを動かしてコンビネーションで崩しにかかると、開始早々の5分、早速それが奏効する。ボランチ野上拓哉からトップ下の酒井将輝が展開し、左SB高畑奎汰が上げたクロスに逆サイドからスペースに潜り込んだ小野原洸が先制点をゲット。負傷離脱から復帰した小野原を「サイドから崩して中に関われる良さを出させたい」と右SHで起用した中村有監督の狙いも当たった。

だが、結果の出ていないチームが陥りがちなパターンどおり、先制後、チームはそれまでの勢いを失う。それまで出来ていたことが出来なくなり、ひたすらバランスを崩さず、追加点を取りに行く姿勢を出せなくなった。

後半になると、追いつこうとする相手はスピード自慢の選手を投入し、パワーをかけてくる。消極的になったところを奪われ、何度もカウンターを受けて失点の危機に見舞われた。全員で相手の猛追をしのぎながら、残り5分になったタイミングで、中村監督はCB中畑雄太をピッチに送り込む。5バック気味にして守備を固め、最後まで逃げ切った。

中畑がPUMA CUPで負傷して以来、なかなか安定しなかったチーム。だが、短い時間ながらこの試合で見せたキャプテンの存在感は大きかった。「選手たち全員の安心感が感じられた。僕も雄太を入れたあとは座って見ていた」と中村監督。精神的支柱の復帰はチームにとって間違いなく大きい。

7月25日にはじまる第40回日本クラブユース選手権までには、先発できるようコンディションを調整する予定だという。残念ながら城戸杜は間に合わない模様だが、可能なかぎり良いチーム状態で暑い群馬の夏に挑んでもらいたい。

「内容が良かったのは最初の5分だけだったけど、プロでもそういう展開があるなかで、よくしのぎきった。『スピードは決して速くないかもしれないけれど、君たちは一歩ずつ力強く進んでいる』と第6節・神戸戦後に選手たちに言ったんです」と中村監督は話す。大分魂にかけて、ここからの巻き返しに期待したい。