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今節の見どころ

新鮮に迎える今季3度目の対戦。互いに新体制での成果を目指す

 

いよいよリーグ戦は残り3試合。残留争いも大詰めの今節は、開幕戦と天皇杯2回戦で対戦した札幌に、アウェイで挑む。

 

そろそろ流れからの得点も欲しい

12位から17位までのチームが揃って敗れた前節。逆にJ3降格圏の3チームは、山口が勝点3を、富山と愛媛が勝点1をそれぞれに積んだ。残り3試合にして15位・大分は18位の山口と勝点6差という状況になっている。
 
第32節の秋田戦以降、今季の戦い方が定まった感触を得ているが、戦績は1勝2分1敗。守備から攻撃への切り替えがスムーズになりゴールへと迫る回数も増えながら、得点力不足の課題を引きずっていることが、なかなか勝点3を掴み取れない最大の要因だ。前々節の熊本戦、前節の山形戦と2戦連続での得点は、いずれもセットプレーから。両方でキッカーを務めた三竿雄斗がキックの精度を高めており、得点が思うように見込めない現状では心強いが、やはり流れからゴールを挙げたい思いがつのる。
 
今節はグレイソンが2試合の出場停止から戦線復帰。前節先発した野村直輝とともにピッチに立つ可能性もあり、野村がグレイソンのストロングポイントを存分に引き出すことへの期待も高まる。前節1トップで先発した鮎川峻や負傷から復帰した有働夢叶も調子を上げているほか、前節終盤に本来の持ち場である前線で起用された宇津元伸弥も、もう少し時間があればひと仕事できそうな雰囲気を漂わせていた。
 
ほぼ試合を支配しながらセットプレーで2失点して敗れた前節を踏まえ、今週は準備期間が1日短い中、チームはより具体性を持たせた攻撃練習に注力した。
 

水戸と千葉に連敗しホーム4連敗中の札幌

札幌とは開幕戦のあと天皇杯2回戦でも対戦し、今季3度目のマッチアップ。ただし、札幌もこちらもその後に新体制となり、戦い方や状況が大きく変化している。
 
札幌は前々節にホームで水戸に0-1、前節はアウェイで千葉に2-5と連敗中。優勝や昇格を争っている上位チームとの連戦で、特に前節は大敗となったが、大分も次節が千葉、最終節が水戸との対戦で、十分に気を引き締めて臨みたい。さらにホーム4連敗中の札幌は今節こそ勝利を目指して強い気持ちで入ってくるはずだ。
 
前節の大敗を受け、前節ゴールマウスを守った菅野孝憲から前々節まで出場していた高木駿へと守護神が交代する可能性も見込まれる。個々の能力の高いプレーヤーが揃っている札幌に対しては、力負けしないよう組織として対応していきたい。プレミストドームの独特な雰囲気に飲まれないことも大事だ。天皇杯出場メンバーはすでに今季経験しているが、意外にも野村は今節出場すれば初めてということで、チームメイトたちから情報を入れながら準備していた。
 
試合前日の7日から急激に気温が低下する札幌市。平地でも積雪の可能性と予報が出ており、試合自体はドームスタジアムで問題なく開催されるはずだが、6日は汗ばむほどの陽気だった大分からの急激な環境変化にも留意しておきたい。
 
勝利して残留を掴み取ることが、いまは何よりの成果。下位チームを気にすることなくひたすら勝点を積むことだけを目指す。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■竹中穣監督
残留争いに関わらず、つねに目の前の試合に勝つことを考えている。前節の反省として、両ゴール前の集中力であるとか、自分たちが前進しているようでなかなかとどめを差し切れないといったところは、今週、課題としてトレーニングを継続した。
 
札幌とは今季、天皇杯を含め2試合戦ったが、状況も変わっているため過去の戦績はあまり関係なく、現在われわれが持っている力、われわれが置かれている状況を考えると、ただ目の前の札幌に勝たなければいけないということ。札幌も連敗しているので、ホームで死にものぐるいで戦ってくると思う。スタイルをぶつけ合うというよりは魂をぶつけ合うような戦いになるのではないか。
 
柴田監督はよりミシャ式と言われるものに近いであろう形で戦っているが、現実的にスペースを埋めることなどもされているので、当然、戦うのは簡単ではないと思っている。質の高いアタッカーもいるし、そこを使う、自分でゴールを取れるボランチの選手もいて、すごく難しいゲームになると予想される。われわれとしては、攻撃において主導権を持っていなくてもストレスなく崩れずに戦うという方法を持っていれば、しっかり戦えるのかなと思っている。
 
■MF 10 野村直輝
札幌にはJ1経験者が多く、個の能力が高い選手が多いという認識。直接対戦したことがある選手もたくさんいるので、個の能力についてはある程度は肌感でわかっているつもりだが、実際いまは開幕戦の頃とは状況が違うし、僕らがやっていることも違うので、どういったことが起きるかわからない。なのであまり気にしすぎず、ある程度、札幌の特徴は頭に置きながら、それよりも自分たちがどうするかというところを考えている。どう変化させられるかという選択肢が夏以前よりは遥かに多くなっているので、ある意味楽しみではある。
 
■DF 6 三竿雄斗
札幌はみんな個人の能力が高いので勢いに乗らせると怖いチーム。一方で崩れるのも早いという印象があるので、自分たちのベースに持ち込んで先制点を奪えれば、いい戦いができるのではないかと思う。逆に相手のペースになってしまうと、本当に個のレベルが高いので、飲み込まれてしまわないように集中したい。プレミストドームは相当独特。メインスタンドとバックスタンドが全く違う感じでちょっと距離感が狂いやすい感じもある。ただ芝もいいし、あの雰囲気も好きなので、プレーするのを楽しみにしている。