闘う言葉

[闘う言葉] 2018/07/16

闘う言葉

 辛抱強さが終盤の猛追を実現した。痛恨の3連敗も収穫の見えた一戦

 

連敗をストップすべく大宮対策を施して乗り込んだアウェイ。個の力量の高い相手に苦しみ、前半はなかなか攻めきれなかったが、粘り強く戦ったことで後半はチャンスを量産。最後に決めきれていれば、という一戦となった。

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相手の技術に後手に回った前半

 
コンディションを落としている戦力がちらほらといる中で、急なアクシデントもあってメンバー選考に頭を悩ませた今節。怪我明けの福森直也が敢えて強行出場するとともに、トレーニングで好調だった那須川将大が先発に名を並べた。
 
トレーニングで準備した対大宮の狙いは明確で、クロス狙いだった。那須川のアーリークロスや松本怜のマイナスのクロスに飛び込むフィニッシュを目指し、攻撃練習ではサイドの動きやポジショニングを細かく徹底していたが、前半はそれがなかなか上手く出せなかった。
 
大分の攻撃を封じるために大宮がやったのは、立ち上がりの激しいプレッシャーと、サイドを封じることでボールを中に出させ、そこで奪うこと。大分が4バックの相手に対してサイド攻撃を狙うことを逆手に取られた形だった。
 
こちらとしても大宮がそういう対策をしてくるのはわかっていた上で、それを上回るための準備だった。だが、「中が空いているように見えたのでそこに入れようとしてしまった」と松本は前半を振り返る。相手を上手く動かしてWBにボールを入れ、縦横のコンビネーションで崩してクロスを入れる狙いだったのに、WBがプレッシャーを受けていたことで中へのパスを選択して奪われてしまっていた。
 

後半はサイド攻撃を徹底して好機量産

 
これも想定内だったが、大宮の個の力量の高さにも苦しめられた。距離感を保ってボールを保持され、ワンタッチで動かされて守備も振り回された。特に自由にプレーするマテウスには手を焼き、開始早々の3分にPKを献上することになった。
 
だが、相手にボールを回されながらも辛抱強く戦い、ピンチらしいピンチは作らせないようにしながら、チームは準備してきた戦術を遂行しようと試み続けた。ハーフタイムの修正によりサイドからの崩しをさらに徹底すると、後半は攻撃が活性化し、狙いどおりの形を作れるようになった。
 
シャドーやボランチも絡みながら那須川や松本からのクロスで決定機も演出できたが、残念ながらシュートが枠をとらえきれない。決定的な場面もいくつかあったが、いずれも決めきれなかった。
 
終盤に近づくにつれ1点リードしている大宮は上手く時間を使いながら大人の試合運びに持ち込もうとした。それでも、ここ最近の大分は追撃の際に前がかりになりすぎてバランスを崩し、カウンターでさらに失点につながるピンチを招いていたが、今節はカウンター対策も出来ていた。
 

課題と収穫を得ながら厳しい戦いは続く

 
前半に見せつけられた相手の能力の高さは受け入れざるを得ないが、それを踏まえて片野坂知宏監督が準備したのが、この運動量の多い対大宮戦術だった。この日はナイトゲームとはいえど30度超という厳しい環境で、選手たちは最後まで運動量を落とさずに走り続けた。
 
前半、上手くいかない中でも辛抱強く試みを続け、相手を動かしたことが、地味に後半の相手の運動量低下につながり、形勢逆転へと試合を運んだ。指揮官は「ジャブがボディブローのように効いてきたが、最後に仕留める右ストレートが空振りに終わった」と、この一戦をボクシングに喩えた。
 
前半のうちにもっとサイド攻撃を徹底できていればとか、中を崩すのであればチームとして意思疎通し前線の動きを違うものにしたほうがよかったのではないかとか、ビルドアップ時のボランチのポジショニングはあれでよかったのかとか、一考するべき点はいくつもある。それはここからまたチームが取り組んでいかなくてはならない。
 
厳しい条件下で痛恨の3連敗となったが、収穫の多い敗戦でもあった。次節の栃木戦からはハードな3連戦に突入する。いまは一喜一憂することなく、コツコツと勝点を積み上げていくのみだ。