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今節の見どころ

タフな3連戦はアウェイ磐田でスタート。個の強い相手に粘り強く戦え

 

6戦負けなしで挑む、4戦無敗の磐田との上位直接対決。ペレイラの負傷離脱による影響をチームがどう乗り越えていくかも含め、見どころの多い一戦となる。

 

ペレイラの欠場を受けて戦い方は

決定力と試合運びに課題の出た前節の千葉戦は、粘り強く60分にPKで得たリードを守りきれず、89分にPKで失点して1-1のドロー。またも4連勝には届かず、連勝記録は3で途切れた。
 
チームは試合後、逃げ切りのためのシステム変更時に意思疎通できていなかった課題をミーティングで徹底。あらためてオプションを共有し、再発防止を誓った。
 
ただ、サイドを起点とする攻撃戦術を整理した第19節の甲府戦からは決定機の質が高まっており、相手を押し込めていることからCKのチャンスも増やしている。特に第20節の群馬戦ではシュート14本、CK18本と圧倒的なスタッツ。それでいながらここ数試合は、シュートがポストやクロスバーに嫌われたり味方に当たったりというケースで決定機を逃すことが多く、前々節までの3連勝はいずれもウノゼロという結果だった。
 
無失点で守りきれるならそれも立派な勝利のパターンだが、そこで気がかりなのは前節の終盤に負傷したペレイラの離脱だ。ここまで19試合に先発、2試合で途中出場して相手の攻撃の芽を潰してきたCBを、このタイミングで欠くことになるのは非常に痛い。彼ほどの対人強度と守備範囲の広さを誇るDFは他におらず、異なるタイプのDFが起用されることになるが、それによってはフォーメーションの変更もあるかもしれず、まずは今節、攻撃力の高い磐田に対してどのような布陣で挑むのかが注目される。
 

磐田は4戦無敗で7連戦の3戦目

今季の“降格組”である磐田はルヴァンカップグループステージを3位で終え、現在は7月12日の天皇杯3回戦・神戸戦を含む7連戦の真っ最中。今節の大分戦はその3戦目だが、1戦目のアウェイ熊本戦から中2日で前節のホーム甲府戦、そこから中2日でホームでの今節、中3日でホーム金沢戦という日程になっている。
 
今季から指揮を執る横内昭展監督が連戦時にいかなるマネジメントをするかが見えづらいと思っていたが、前節の甲府戦ではフィールドプレーヤー全員をターンオーバー。前々節に脳震盪疑いで途中交代したドゥドゥも57分から元気に出場し、選手層の厚さを感じさせる戦いぶりで甲府と1-1で引き分けた。第7節の前回対戦時は同じく中2日で第6節の栃木戦と同じメンバーでスタートしたが、おそらく今節は熊本戦のメンバーがベースになるのではないかと予想される。
 
磐田も大分も3連勝後の引き分けと状況は同じだが、磐田は4試合負けなし、大分は6試合負けなしで、その勝点差は4。5位と2位とのJ1昇格候補対決は、互いに落とせないシチュエーションだ。磐田は7連戦を乗り切る勢いをつけるために、大分は次節・町田、次々節・清水と続くタフな上位争いで相手に勝点を与えないために、切実な戦いを繰り広げる。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■下平隆宏監督
 
前節は後半にゲームの流れを相手に渡してしまった。さらに終盤のシステム変更が共有されていないメンバーがいたが、それは絶対にあってはならないこと。交代の意図が伝わっていなかったのは僕の責任だが、スタジアムではベンチからの声が届かないので、交代で入った選手がしっかり伝達しようとミーティングであらためて徹底した。
 
昇格争いをすることになるチームとの対戦が続く今節からの3連戦はキーになる。磐田はミドルブロックを組んでくると思うので、ある程度ボールは持って動かせるとは思うが、その先でのクオリティーが問われることになる。
 
■DF 19 上夷克典
 
ペレイラが怪我をしたので誰が出てどういうフォーメーションになるかがわからないが、自分はどういう形でも対応できる。ベースは失点しないこと。うちは大量得点できるチームではないので、守備から入る。最近は無失点での折り返しで好感触を得て、それで1点取って勝ってこれていたので、そこはみんな自信になっていると思う。
 
厳しい3連戦になるが、ボールの失い方がポイント。個の強い相手が続くので、ボールの失い方が悪ければ仕留められるリスクがある。ボールの動かし方、失い方に気をつけながら、あとは個人が負けないようにしたい。
 
■MF 5 中川寛斗
 
チームとしていまは0トップの戦術が形になっているが、それがすべてではない。メンバーに入っているいないに関わらず、素晴らしいFWがいるので彼らを起用すれば変化もつけられるし、相手の変化を見てこちらも選べるものはある。いまやっていることに固執する必要もないと思う。臨機応変に戦いたい。
 
いま出ている選手もそうだが、怪我から復帰してきた選手も、10分間100%でプレーできるならその10分をしっかりやってほしい。戦術的なものや阿吽の呼吸は抜きにして、ピッチに立てるコンディションかどうかというところが、この3連戦は重要になる。われわれが上の順位にいるときに好調なチームと試合をすると、みんな肩に力が入っていいプレーができていないことが多いので、意識しすぎずに、いま課題となっているところにフォーカスして、ひとりひとりがいいコンディションで臨むことが大事。