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試合レポート

急造布陣でしのぎ先制成功も後半は相手に上回られ6失点大敗

 

厳しい日程の中、総力戦による急造布陣で挑んだC大阪戦。攻撃力の高い相手をしのぎつつセットプレーの流れから先制したが、後半はさすがに保たず、立て続けに6失点。攻守に課題が噴出した。

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厳しい台所事情、急造の5-4-1で勝機を狙いに

ここまでG大阪と鹿島に2-2、3-3と、複数失点しながらこちらも複数得点して勝点1ずつを積んできたルヴァンカップグループステージ。だが、今節のC大阪戦は、後半だけで6失点という屈辱的な大敗となった。
 
リーグ琉球戦でようやく今季初勝利を遂げ、ここから順位を上げていきたいタイミング。リーグ戦に出場していない戦力の底上げも進めたいところだが、厳しい台所事情はそんな“悠長”な考えは許してくれなかった。
 
11連戦の9戦目、ここからアウェイ3連戦という中、リーグ戦とはメンバーを入れ替えるマネジメント。負傷離脱者も多く、琉球戦終了後に「プレーできるメンバーで可能なシステムを組む」と下平隆宏監督が示唆したとおり、今節、戦力を掻き集めるようにして組んだのは5-4-1システム。攻撃力の高いC大阪にある程度ボールを持たれることは覚悟の上でしっかり守っていこうという意図で、リーグ戦から中2日ゆえ紅白戦も組めない中、立ち位置だけを確認して臨むことになった。
 
今季初のフォーメーションだったが、3バックや5バックを昨季までやっていた経験もあり、落とし込みは比較的スムーズだったと指揮官。その言葉どおり、前半は相手にボールを持たれながらも、要所を閉めて守りつつ攻め返すことも出来ていた。
 
守備では相手のビルドアップに宇津元伸弥と井上健太が激しくプレッシャーをかけつつ、全体をコンパクトに保って中で跳ね返す形。羽田健人や坂圭祐の好守もあり、粘り強く対応できていた。攻撃では左サイドが上手く機能。松本怜が絶妙なポジショニングで相手と駆け引きしながら、少し下がり目の藤本一輝を使った。急造布陣らしく藤本も周囲との連係が乏しい中、持ち過ぎて奪われる場面もいつもより増えたが、こちらが少しでもボールを持つことで相手に攻めさせない時間を作れていた。

 

上手く耐えながらFKからの小出弾で先制

とはいえC大阪の攻撃力は高い。結局、出るかもしれないと予想されていたリーグ戦のメンバーではなく、これまでのルヴァンカップメンバーで臨んできた中で、特に左サイドの為田大貴と山中亮輔の圧は高く、鹿島戦で鮮烈な初ゴールを挙げた北野颯太はこの試合でも隙あらばといった積極性で撃ってくる。こちらも相手のビルドアップには制限をかけていたのだが、それならそれでと個の力技で凌駕してきた。
 
必然的に相手のセットプレーのチャンスが増えたが、西川幸之介の好セーブを中心に全員で掻き出してしのぎ続けた。雨でスリッピーなピッチに足を滑らせる選手が続出しながら、失点せずに時間を過ごせるほど、この時間帯の集中力はまだ高かった。
 
そんな24分、先制に成功する。松本のスルーパスに縦に抜け出した藤本のクロスが相手のハンドを誘い、ペナルティーエリア左でFKを獲得。中川寛斗の速いキックに坂がニアへ飛び込み、そらしたところを清水圭介が弾く。ボールは増山朝陽や宇津元も詰めていた密集の中でこぼれ、すかさず押し込んだのは小出だった。
 
31分には西川がトラップミスを北野にさらわれて振り切られシュートを放たれるが、ここはカバーに入った坂が掻き出してピンチをしのぐ。34分には羽田からボールを奪った上門のシュートがサイドネット。リードしている時間帯、じっくりとポゼッションしながら相手の時間を削りたいところで不用意なロストが目立ったが、相手の精度不足にも助けられつつ0-1で試合を折り返して、前半はなんとかプランどおりに進んでいた。

 

修正した相手にあっさり逆転を許す

だが、おそらく大分が5バックで来ることを予想していなかったC大阪も、後半は修正。大分が守備時にボールサイドに寄るところも利用して藤本が空けたスペースに毎熊晟矢が高い位置を取るなど、5バックで構える大分を押し込みに来た。
 
立ち上がりに早速、為田が得たFKを山中が蹴り、これは西川が掻き出した。47分の中原輝の右CKも宇津元がヘディングでクリアしたが、中原の2本目のCKはゴール前から掻き出したところを鈴木徳真にシュートされ、ゴール前で毎熊に触られて流し込まれ同点に。さらに50分には毎熊のドリブルを止めることが出来ずに持ち上がられ、クロスはどうにか跳ね返したのだがこぼれ球を中原にシュートされて、ディフレクションした弾道がネットを揺らし逆転される。
 
立て続けの失点に萎縮したようなチームは相手の増長を食い止めることが出来ない。59分にはボールを持つ中川の背後から岡澤昂星がプレッシャーをかけてボールを奪い、すぐに弓場将輝が奪い返しに行ったのだが上門知樹から毎熊に繋がれてシュートを許す。羽田の足に当たったこぼれ球をフリーで拾った為田がふわりとクロスを上げ、やはりフリーで走り込んできた岡澤が頭で合わせるダイナミックな3点目。人数をかけていてもマークにつききれず球際に厳しく行けない守備の課題が露呈した。

 

4バックに変えてネットとサムエル、加入後初出場

63分、大分は増山と藤本をベンチに下げ、エドゥアルド・ネットと屋敷優成を送り込んでシステムを4-2-3-1へと変更した。ネットと弓場のダブルボランチに中川のトップ下、左に屋敷、右に井上という並びになる。
 
そのタイミングで得ていたFKのチャンス。中川のキックを豪快にダイビングヘッドしたのがネットだった。いきなりの存在感だったが、ボールは惜しくも枠の右へ。
 
66分にはC大阪が2トップの上門と北野を山田寛人と 加藤陸次樹にチェンジ。北野は交代時に時間をかけたとして遅延行為でのイエローカードを提示される。さらに72分、山中と為田をマテイ・ヨニッチと乾貴士に代え、ヨニッチが右CB、舩木翔が左SBの並びへと変更。
 
セットプレーのチャンスも実らない大分は74分、小出と松本の両SBを伊東幸敏と香川勇気に代えて追撃のパワー増強を図るが、C大阪に攻められる展開を変えることが出来ない。79分には中川をベンチに下げてサムエルを投入し、2トップにした。

 

急造組織でも球際への対応と周囲への気遣いが出来れば…

だが、その直後の80分、C大阪のスローインからコーナー付近で守っていたところで山田にマイナスのパスを入れられ加藤にワンタッチで沈められて4点目。
 
83分にはC大阪が岡澤に代えて原川力を投入。大分はネットがボールを収めることでわずかに相手の時間を削れているといった様相で、C大阪はなおも攻め続ける。90分にはペナルティーエリア内でパスを受けた山田のシュートが枠の外。直後にはネットから弓場へのパスが相手にさらわれ、乾に鋭いシュートを打たれるが、これは西川が横っ跳びでセーブ。
 
4分のアディショナルタイムにも傷口は広がった。プレッシャーをかけられた宇津元のバックパスは坂と羽田の中間に立っていた加藤に渡って運ばれ、カウンターに加わった乾に簡単に剥がされるとカバーリングなく西川の脇を抜いて5点目。加藤の引きつけ方も乾のタイミングも絶妙だったが、奪われ方もその後の対応も残念な失点だった。
 
なんとか一矢報いようと伊東が送ったフィードは清水にキャッチされる。そして90+3分、ボールを動かされるのにつれて立ち位置は取っていたものの、毎熊に頭上を越えるクロスを入れられたときには山田にフリーでヘディングシュートを沈められ、あっさりと6失点目。
 
ぶっつけ本番のネットを加えて守備組織の連係が取れておらず、チームとしてどう守るのかが見えていないようだったとはいえ、ボールウォッチャーになっていたり寄せが甘かったりという場面はもう少し改善できたようにも見える。メンタル的にも難しい展開になってしまったが、そこを踏みとどまって対応する強さも、特にリーグ戦では必要になってくる。
 
攻撃に関しても不用意なロストが多すぎた。ビルドアップ時のポジショニングも、相手の間にタイミングよく顔を出すことが出来ていない。
 
厳しい現実を突きつけられて、チームは大分へと帰った。今度はまた中3日でアウェイ仙台でのリーグ戦だ。

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