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試合レポート

栃木をシュート1本に抑えたミラーゲーム。相手の堅守に苦しむも奎汰FK弾で3連勝

 

相手のストロングポイントをケアしつつベース部分で上回り、終始主導権を掌握しながらなかなか得点できずに過ぎた80分。鮮やかに試合を決めたのは途中出場した生え抜きの直接FKだった。

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伊佐を生かす長いボールからペースを握る

チームにとっては今季初のミラーゲーム。試合前日に体調を崩したデルランに代わり、急遽、左CBに香川勇気が入った以外、先発は前節と同じ。ベンチには今季初めてサムエルが入った。一方の栃木も、攻撃へのテコ入れか左シャドーにジュニーニョを入れ、前節までそこにいた森俊貴を左WBに配置転換してスタートする。
 
栃木が予想どおりハイプレスをかけてきた立ち上がり。大分はそれを受けながらポゼッションし、クサビを打ち込む隙を窺うがなかなか上手くいかない。「このままでは相手の術中にハマる」と考えた下平隆宏監督は10分あたりでピッチの選手たちにアドバイスを送り、選手たちもややアバウトな長いボールを織り交ぜることを選択した。
 
そこから大分が好機を増やす。伊佐耕平が起点を作り、野村直輝や梅崎司が絡んでサイドも加わった。21分、伊佐の落としたボールを茂平が粘って前に出し、抜け出した伊佐が逆サイドへと展開。藤本一輝のカットインシュートは枠上に逸れたが、いい形を作れた。

 

栃木のストロングを潰す準備は万端だった

大分が主導権を握って進める中、36分には栃木にアクシデント。左CBの大谷尚輝が負傷して大森渚生に交代した。その1分後、栃木は森が根本凌に当てて西谷優希がゴール前に走り込むチャンスを築こうとする。ここはプレスバックした野嶽惇也が素早く西谷を潰して事なきを得た。
 
根本をターゲットに周囲が絡む栃木の攻撃の形には下平監督も対策しており、大分もボランチの1枚が前に出て攻撃に絡む一方で、守備では根本へのパスコースを消しつつ、相手が根本にボールを入れそうな気配を察知したら根本とマッチアップする上夷克典をサポートするよう指示していた。試合後に「そこが今日のゲームのキーになると思っていた」と指揮官は明かし、野嶽と弓場将輝のダブルボランチの仕事をねぎらった。
 
どうしてもパスが通りづらくなるミラーゲームではあったが、デュエルやトランジションで相手を上回る大分がペースを握って試合は進んだ。

 

なかなか崩せなかった栃木の牙城

栃木の堅守を攻略すべく、大分は54分、疲労の見える梅崎を町田也真人に代えて鮮度を維持。町田の目まぐるしいポジショニングとサポートによりコンビネーションを駆使した新たな攻撃のアイデアが生まれるが、ゴール前で体を張る栃木に阻まれて、いくつも築く決定機がなかなか得点に結びつかない。攻撃で押し返したい栃木も58分にジュニーニョと高萩洋次郎を宮崎鴻と大島康樹に代え、宮崎を頂点に、根本を右シャドーに配置した。
 
61分には野村の右CKをニアで伊佐が逸らし最後は藤本が飛び込んで、枠の上。64分の野村と66分の町田のシュートはいずれも藤田に抑えられた。70分、大分は藤本を高畑奎汰に、伊佐をサムエルに交代。手を変え品を変えて栃木ゴールをこじ開けにかかる。だが、76分、ペレイラがパスカットして持ち上がったところからの展開を受けた茂の鋭いシュートも藤田の左手に掻き出されてしまう。80分、左サイドのコンビネーションからの崩しも最後の高畑のシュートは相手にブロックされた。

 

81分、生え抜きの左足がスコアを動かす

このまま得点できず相手守護神がマン・オブ・ザ・マッチになってしまうのではないか。そんな空気感を断ち切ったのは、その1分後の鮮やかな先制弾だった。茂が仕掛けて得たペナルティーエリア右でのFK。セットしたボールのそばに立った野村は、隣に立つ高畑に「蹴っていいよ」と命運を託した。今季から岡山一成コーチにアドバイスをもらいながら直接狙う練習をしていた高畑。その自慢の左足から放たれた弾道は緩やかな弧を描いて藤田の指先を越え、ゴール左隅へと吸い込まれた。
 
88分、栃木ベンチの動きを察知した大分ベンチは弓場と野村を下げて羽田健人と中川寛斗を送り込み、布陣の守備色を強くする。同時の交代となった栃木は西谷を神戸康輔に、森を山田雄士に代えて根本と宮崎を最前線に並べる追撃態勢を取った。屈強な2トップに対応する大分守備陣。アディショナルタイムには香川が接触プレーで口を負傷する場面もありながら、町田やサムエルが巧みにタイムアップまでの時間を使った。

 

今節も1万人超の観客に後押しされての勝利

前節の東京V戦は安藤智哉の負傷により上夷が急遽先発に。今節はデルランの体調不良で香川が思いがけずスタメンとなった。ともに期待されプレシーズンから主力候補とされてきた最終ラインの新戦力2人の相次ぐ離脱は想定外だったが、負傷したボランチのニューフェイス池田廉の穴をコンバートされた野嶽が埋めたのと同様に、上夷と香川が安定感あるプレーでチームを支えてくれたことは大きな要素だった。
 
そして途中投入された高畑の、登場11分後の快挙。高畑は開幕の徳島戦で90+3分の宇津元伸弥の決勝点につながる右CKも蹴っており、ラッキーボーイ的存在となっている。
 
「その運はおそらく今日これだけのファン、サポーターの方々が来てくださって、その声援あってこそだと思っている」と、下平監督は会見で1万1747人の来場者に感謝を述べた。唯一の開幕3連勝で単独首位に立ったが、シーズンはまだ3節を終えたばかり。さらに練度を高めつつ、次節はアウェイで清水との対戦だ。

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