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試合レポート

勝負に出たシステム変更が呼び込んだ狂熱のラスト。課題は残しつつ+1

 

優勢と劣勢に分かれながら90分間を0-0で進めた両軍の均衡は、アディショナルタイムに大きく動く。一時は明暗分かれたかに思われたが、その先にはさらなる展開が待っていた。

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勝点1の収穫と、目指すスタイルへの課題と

ゴール前のスペースを消してくる相手が多いJ2において、攻撃的な山形とのマッチアップはこちらにとっても目指すスタイルを体現できる格好のカード。そう意気込んで臨んだに違いないチームは、立ち上がりから積極果敢に相手のスペースを突いて攻めたが、徐々に相手にペースを握られ、守備に追われる展開へと傾れた。
 
劣勢ながら粘り強くしのいだ大分と、押し込みながらゴールを奪えない山形との激しい攻防は「好ゲーム」と呼ぶにふさわしかったし、試合中のアクシデントにより長く設定されたアディショナルタイムが両ゴールネットの揺れる劇的終幕を呼んだことも、エンターテイメントとしては上々だった。
 
だが、タフな9連戦のラストゲームで辛くも勝点1を得たことについて下平隆宏監督は「選手たちは割り切ってカウンターを狙おうというところでよくやってくれた」とねぎらいつつ、やはり「自分たちのやっているスタイルとしては少し残念な部分もあった」と課題も痛感していた模様。試合後会見に応じた高木駿も攻守両面での課題を挙げ、それゆえに難しい展開になったと振り返った。

 

積極的な立ち上がりから徐々に相手ペースに

2分、梅崎司のクロスから呉屋大翔がエリア内で収めようとして相手守備陣に2人がかりで潰される。6分、インサイドを取った高畑奎汰の縦パスを伊佐耕平がつなぎ、攻め上がっていた三竿雄斗がクロスを試みて相手に阻まれた。9分には高畑のクロスが伊佐に合わなかったところを梅崎がミドルシュートし、12分には伊東幸敏のクロスがクリアされたこぼれ球を下田北斗がミドルシュート。いずれも枠を捉えきれなかったが、立ち上がりは相手のスペースを突いて積極果敢に攻めていた。
 
15分、弓場将輝との競り合いの中で、腕をかけたとしてファウルを取られた藤本佳希が負傷。担架で運び出され16分にデラトーレと交代となった。17分、三竿の守備対応がファウル判定を受けて与えたFKの場面。主審の設定したキッカーと壁の距離について異議を唱えた梅崎にイエローカードが提示される。難しい駆け引きだったが結局、壁の位置はそのまま。國分伸太郎のFKは枠を捉えたが、高木がファインセーブで掻き出してことなきを得た。
 
その後、試合は徐々に山形ペースとなる。左右から再三のクロスを許し、高木やペレイラの対応でピンチをしのいだ。42分にはデラトーレのミドルシュートをまたも高木がファインセーブ。その後の相手CKやクロスも立て続けにクリアして、なんとか無失点で折り返した。大分の攻撃は、伊東からのクロスや三竿のインターセプトからの縦パスを呉屋に通しても、人数をかけて潰しにくる相手に対応されてしまう。前半アディショナルタイムにはペレイラがタックルして奪ったボールを受け呉屋が左足でシュートしたが、枠の右へと逸れた。

 

攻め返しきれずに苦しい時間が続く

0-0のまま後半に入ると山形は、大分の最終ラインのウラへのフィードを増やした。加藤大樹のスピード、國分の上手さにそれぞれ伊東と高畑が対応し、中盤の選手たちも頭上を越えるボールへの対応に重心が低くなる。ボールを奪っても相手の即時奪還プレスを前にいい立ち位置を取れず、押し上げていくビルドアップが出来ない。
 
50分、相手CKからの流れでゴール前で守備にあたっていたペレイラと下田が接触し、ともに流血。味方同士、頭部の衝突であったことから脳震盪も疑われ、倒れた位置で動かさずに治療が進められたが、幸いにして2人とも止血処置のみでプレー続行となった。
 
58分には藤田息吹のミドルシュートを高木が阻止。63分には三竿のフィードに梅崎が抜け出してエリア内にまで入り込むが、川井歩の強い対応に遭って収めきれず。
 
奪っても位置が低く、押し上げられない状態で、攻め残る前線に預けても潰される悪循環。69分、下平監督は梅崎を井上健太に代え、一気に前線へと出ていけるスピードに懸けた。同時にピーター・クラモフスキー監督も國分をチアゴ・アウベスに交代する。76分には大分が弓場を小林裕紀に、伊佐を藤本一輝に2枚替え。藤本はそのまま2トップの一角に入った。

 

5-3-2へのシステム変更で最後の勝負に

大分は井上のインターセプトやエドゥアルド・ネットの縦パスで反撃を試みるが、山形守備陣は大分の前線に起点を作らせてくれない。大分も攻められながらラインコントロールやシュートブロックでなんとかしのぎ、試合はスコアレスのまま終盤に突入する。
 
劣勢ながら拮抗していたと言える89分、下平監督が勝負に出た。呉屋をサムエルに、伊東を坂圭祐に代えるとシステムを5-3-2に変更。割り切ったカウンターで最後に勝点3を狙う算段だった。90+1分、それが可能性を感じさせる。サムエルが相手を背負いながらボールを収め、エドゥアルド・ネットがつないで下田が相手の背後へと浮き球を送ると、それに抜け出したのは藤本一。山﨑浩介の戻りのほうが速く、ボールを収めることは出来なかったが、サムエルの体の強さが生きて前線で起点を作れたシーンだった。
 
アクシデントで時計の止まる時間が長かった試合の後半アディショナルタイムは7分。下田の左CKにサムエルが頭で合わせるが枠の上。耐える一方だった試合の最終盤に、なにかが起きそうな気配は高まっていた。

 

手負いのペレイラ、甲府戦に続く劇的同点弾

だが、残念ながらゴールを奪ったのは山形のほうだった。90+3分、半田陸のクロスはペレイラがクリアしたが、それを拾った山田康太にプレスを掛けきれずに浮き球を放り込まれると、ゴール前混戦の中、チアゴ・アウベスに右足でネットを揺らされる。チアゴ・アウベスは前節・栃木戦での劇的決勝ゴールに続き、今節もアディショナルタイム弾。2戦連続決勝弾になると、山形は確信しただろう。90+5分には山田康を木戸皓貴に代え、試合を閉めにかかった。
 
そこであきらめなかったのが大分だ。ペレイラを前線に上げてパワープレーで追撃に出た。相手のファウルで得た自陣でのFKを、高木のキックで最前線に送るとペレイラが落とし、井上が拾った。相手にクロスのコースを切られると、井上は小林裕へとボールを託す。小林裕の渾身のクロスに合わせたのは、まさにパワープレーの役割を担ったペレイラだった。負傷によりテーピングした頭で放ったシュートがネットに突き刺さり、スタジアムは狂乱の渦となる。あとどのくらい時間が残っているかわからない中で、高木が「早く戻れ!」と歓喜するチームメイトたちにさらなる戦いを促した。
 
90分を0-0のまま運んだ試合は1-1でタイムアップ。この瞬間に、大分の長い9連戦も終了した。「ここで負けていたらかなり疲労が残っていて、これから大分に帰るのも結構つらいなという感じだった」と高木。連戦をこなした選手やスタッフをねぎらった指揮官も、会見ではだいぶ疲労している様子が垣間見えた。
 
かからなかった前線のプレス、CFの孤立、相手のプレスをかわせなかったビルドアップと、残された課題は多い。まずは2日間のオフで疲弊した心身を休め、開幕後ようやく2度目となる1週間の準備期間に、チームはそれらの課題と向き合うことになる。次節からは7連戦。怪我人の復帰や試合に絡めていないメンバーの底上げも、待たれるばかりだ。

怪我も癒え、今季リーグ戦初先発の梅崎司

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